中小企業のFacebookの使い方

中小企業のFacebookの使い方

中小企業のインバウンドマーケティングにおけるFacebook

アーンドメディア(SNS)の変遷

自社資産である、オウンド・メディアに対し、外部にある出先機関・出張所のような資産で、信頼・評判をもたらす媒体。これが、アーンドメディアです。

作りこむ・資産としての性格が強い、BLOGと動画(Youtube)に対し、ソーシャルな繋がりをつくることに適し、かつ、この数年、インバウンドマーケティング云々はさておき、ホットで旬なメディアである、SNS( Social Network System )のアウトラインについてお話します。

昨今、日本で利用されている、代表的なSNSを列記します。

日本初で、事実上、日本で最初に受け入れられた、mixi(ミクシィ)は、少し元気がないですね。

それ以前に、アメリカで隆盛していた、MySpaceは犯罪利用の情報や、文化的な差異、翻訳の遅れ、から受け入れられず。実は、Facebookも当初、翻訳前は2年ほど寝ている時期がありました。
皮肉なことに、mixiによって、SNSの面白さが認知され、受け入れの素地ができると、Facebookが息を吹き返し、一気に抜き去ります。

米国では民度として、実名開示が受け入れられても、日本、はじめアジアは奥ゆかしいので、実名開示文化は時期尚早、ニックネームで交流する、mixi に分があると目されていました。
しかし、時代の流れは、そのローカル認識を吹き飛ばします。

並行して、ミニBLOGと云う売り文句で、140文字の気楽さとカジュアルな敷居の低さから、twitterも市民権を得ます。

その後、乱立したSNSは、Google+、Linked-In、画像のFacebookと云われる、Pinterestなどが足踏み状態です。

雌雄が、Facebookの一人勝ち状態+気楽にtwitterと云う雰囲気になった頃登場したものが、LINE です。
当初、SNSと云うより、無料IP電話であるSkypeの対抗馬のような立ち位置を装いながら、その本質は、よりソーシャルに生活に入り込むものでした。

更に、Pinterestの足踏みをしり目に、画像系SNSでは、Tumblrが登場。米国での盛り上がりをよそに、日本では、Facebookとの提携・連携と、芸能人の利用がいいタイミングでクローズアップされた、Instagram で勝負ありの様相です。

これが、私感もまじえつつ、大まかなこの15年のソーシャルメディアの歴史です。

Facebookの基本

長く、登録者・利用者を増やすことに努めてきたFacebook(以下、FB) は、上場のバブル時期に、多くのIT企業が実力以上に評価されすぎ、その反響・成功の反動で、収益性を問われたのと同じように、一時、株価が反転、急落しました。

では、FBはバブルで終わるのでしょうか?
その後の動きをご覧になればお解りの通り、そのようなことはありません。
彼らの持つ、真の強みは、ソーシャルグラフです。
平たくは、利用者の詳細登録情報と云う垂涎の情報を、膨大に保持、解析、利用できることです。これまで、人間をカテゴリわけ、ターゲット分けする際、性別、年齢、居住地域、収入、職業、学歴など、その人のもつ人口統計学的属性が主流でした。定量的な情報です。
これに、趣味、興味、イベントなど定性的な情報を加えた、インタレストグラフ。更に、人間の社会的な繋がりや、利益・実益を共有する人間間の相関関係をしめす属性データであるソーシャルグラフを把握しています。

お気づきの通り、定量的にも、定性的にも絞ったカテゴリにアプローチできるため、ピンポイントにリーチしたい広告には最適です。
当初、公明正大な社会性を全面におしだし、ビジネス臭を出さずにきたFBは、メディア・ツールとしての地位を気づき、満を持して、予定通りに、広告事業に傾倒してきました。
一部の大手ユーザーが、社会性を損なう方向転換をきらい離脱していますが、多くは歓迎し利用し、収益に転換しています。

中小企業にとってのFacebook

では、中小企業でも、FBは「広告」として使うことが答えなのでしょうか?
私の答え、お勧めは、否です。
もちろん、予算・資金に余裕があれば、魅力的な広告媒体であることは、上述の通り賛同です。
また、初期の拡散や市場へのリーチとして利用する価値も認めています。

しかし、ここでは、低予算で効果をあげるために。
これまで通り、無料の範疇で利用すべき使い方をご説明します。

1.顧客・見込み客のリスト

FBの「いいね!」は何を現しているでしょうか?
友達の証、承認の証、もちろん、その通りです。
しかし、マーケティング的には、これは、顧客、もしくは、顧客になる可能性のある、見込み客・可能性客のリストととらえるべきです。
昨今の顧客リストは個人情報保護の制約もあり、むやみやたらと詳細を網羅すべき時代ではないと考えています。
ABC分析において上位にいるファンやリピーターの皆さんの詳細情報(家族構成、子息の学歴、趣味・嗜好など)を把握して一層のサービス向上、より密接な関係強化に活かすことは重要です。
しかし、まだ関係は始まっていない、これから互いに知り合う、握手の敷居をさげて気軽に繋がりあう。このような状況では、詳細情報など必要なく、また教えたくもないものです。
この段階では、FBの「いいね!」や、メールアドレス、LINE友達、twitterフォローなど、最低限の気楽な情報を保持しあうことで十分に連絡をとりあうことが可能です。
こちらから情報をお届けできる繋がり、これはリストに他ありません。

2.リーチツールとして

FBの「いいね!」は繋がりあうことです。
これは、情報をお届けしあうリスト(友達になる)か、適宜お届けできるリスト(納得・評価のいいね)が構築されることを意味します。
情報をお届け、共有することに許可した方々と繋がりあうことを、パーミッションと呼びます。
この方々にお届けしたい情報を発信できます。
しかも、発信したことを知らせる機能がついており、非常に有効です。
繋がった皆さま(1番で説明の通り、マーケティング的には、見込み客・可能性客です)に自身の情報に気づいてもらえる、更に観てもらえる可能性があり、読んで(一部、聴いて)もらえる可能性がある。
この非常に難易度の高いことを、いとも簡単に実現できる、優れたリーチツールです。

3.拡散ツールとして

FBにおける「拡散」とは2つの局面があります。

①FB内の投稿を拡散
投稿した記事には、「いいね!」=承認・応援、「コメント」=文字通り、コメント、と共に「シェア」=拡散のボタンがついており、意思表示できます。
閲覧者である友達(かFBページの登録者)は、自身が気にいった、人に知らせたい投稿記事に対して、これを自身の友達にシェア(拡散)できます。

②HPやBLOGなどオウンドメディアの投稿を拡散
FBで公開されているAPIというソースを使い、自社のHP(ホームページ)の各ページや情報個々に、「いいね!」「コメント」「シェア」のボタンをつけることが出来ます。これを、ソーシャルボタンと呼びます。
自身の発信した情報を受け手が理解、共感すれば、自動で好意を伴って、拡散くれます。

この2つの行為は、書くと簡単なことですが、人さまが代わりに、勝手に情報を広めてくれることは、長い時間や意図的な仕掛けが必要でした。所謂、口コミです。
この口コミを、いとも簡単に実現できているのです。

《メモ》
ネガティブな情報の拡散も速いものです。皆さんが使う「炎上」は、この典型です。

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